昨日から京都にいます。
アートコンプレックス訪問メインのフィールドワーク・・・といいつつ、好きなところを好きなようにまわっているので、半分遊びですね。
さて、阪急を烏丸で下り、烏丸通りを北上し、ちょっと西に入ったところにあるのが
京都芸術センター。たまたま看板を見つけて入り、受付のおばちゃんと話していたら、「奥で展示会やってるから、よかったら見てって」とのこと。急ぐたびではない、行ってみるかと入場料を聞くと「無料ですよ」・・・えぇ!そうなの?!聞けば、京都市と地元の方たちの寄付で運営しており、スタッフもすべてボランティア。展示会だけでなく、制作室やワークショップルームなど、地元の若手のアーティスト育成のため無料で貸し出している。だから、このセンターで開かれる催し物も無料(外部から有名人を招聘したときだけお金をとるらしい)。ジャンルは問わず、絵画・彫刻・オブジェ・音楽・ダンス・演劇、なんでもあり。
驚くのが、「情報室」と「図書室」に分かれている資料室の充実ぶり。情報室には、さまざまなジャンルの興行のチラシやポスターがおかれているのだが、全国から集められている。近畿だけでなく、東京・仙台のワークショップの案内や北九州の演劇関連の小冊子も普通に並んでいた。また図書室には、あらゆるジャンルの雑誌が全巻揃っていて、普通の図書館と同じように貸し出し業務も行っている。
京都芸術センターのある建物は、元明倫小学校といったらしい。重要文化財に指定されてもおかしくないような重厚な建物は、平成5年に小学校としての役割を終えた(写真は展示室に向かう廊下)。その後、地元の人が中心となって、何か京都を元気にするためにできないかと考えてできたのが、京都芸術センターだったそうだ。なんでも、明倫小学校が設立された時も、自分たちの子供にきちんと教育を受けさせたいという思いを実現するために、町家の大棚たちが寄付したのだそう。
何につけ「根付く」ためには、「地元」というキーワードが非常に重要。京都芸術センターだったら、アーティストだけではなく、それこそ地元のおじちゃん・おばちゃんたちが気軽に足の向く場所にならなければならない。ある特定の層だけが集まっていても決して根付かない。その点、京都芸術センターは起こり自体がある種の「町おこし」的発想から成り立っていて、私が行ったときもアーティストっぽくない人たちが多々見受けられた。
恥ずかしながら、京都がこんな町だとは知らなかった。京都は、東京よりもずっと、芸術家が育てられる町なのかもしれない(もしくはこれからなっていくのかもしれない)と、フィールドワーク初日からいきなり心地よいショックに見舞われた。