観タ・聞イタ・読ンダ等

カテゴリ:研究メモ( 9 )

アートコンプレックス1928

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前にもこのblogで若干紹介したアートコンプレックス1928。小さな劇団のロングラン公演を実現させるためにSPCを設立して私募応援ファンドを作り、1口3万円前後で一般投資家の出資を受け観客動員に応じて配当を出すというしくみを作っている小原さんの劇場。

詳しくはまた明日訪問するので後回しにしますが、とりあえずどんなところかと行ってみた。昨日は立命館大学の映画研究会が自主映画の上映会をやっていたので、2時間ほどお邪魔してアンケートなどを書いてきた。内容的にはもちろんまだまだという感じだけれど、学生が学外で作品を見てもらう機会があるのは非常に恵まれているし、今後もこういった機会を与えつづけることによって育っていくのだと思う。がんばれ、学生。

劇場は小さくて、デザイン上、梁がかなり見えるのでさらにこぢんまりと見えた。明日が楽しみ。
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by autumnt | 2004-06-21 00:09 | 研究メモ

京都芸術センター

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昨日から京都にいます。アートコンプレックス訪問メインのフィールドワーク・・・といいつつ、好きなところを好きなようにまわっているので、半分遊びですね。

さて、阪急を烏丸で下り、烏丸通りを北上し、ちょっと西に入ったところにあるのが京都芸術センター。たまたま看板を見つけて入り、受付のおばちゃんと話していたら、「奥で展示会やってるから、よかったら見てって」とのこと。急ぐたびではない、行ってみるかと入場料を聞くと「無料ですよ」・・・えぇ!そうなの?!聞けば、京都市と地元の方たちの寄付で運営しており、スタッフもすべてボランティア。展示会だけでなく、制作室やワークショップルームなど、地元の若手のアーティスト育成のため無料で貸し出している。だから、このセンターで開かれる催し物も無料(外部から有名人を招聘したときだけお金をとるらしい)。ジャンルは問わず、絵画・彫刻・オブジェ・音楽・ダンス・演劇、なんでもあり。

驚くのが、「情報室」と「図書室」に分かれている資料室の充実ぶり。情報室には、さまざまなジャンルの興行のチラシやポスターがおかれているのだが、全国から集められている。近畿だけでなく、東京・仙台のワークショップの案内や北九州の演劇関連の小冊子も普通に並んでいた。また図書室には、あらゆるジャンルの雑誌が全巻揃っていて、普通の図書館と同じように貸し出し業務も行っている。

京都芸術センターのある建物は、元明倫小学校といったらしい。重要文化財に指定されてもおかしくないような重厚な建物は、平成5年に小学校としての役割を終えた(写真は展示室に向かう廊下)。その後、地元の人が中心となって、何か京都を元気にするためにできないかと考えてできたのが、京都芸術センターだったそうだ。なんでも、明倫小学校が設立された時も、自分たちの子供にきちんと教育を受けさせたいという思いを実現するために、町家の大棚たちが寄付したのだそう。

何につけ「根付く」ためには、「地元」というキーワードが非常に重要。京都芸術センターだったら、アーティストだけではなく、それこそ地元のおじちゃん・おばちゃんたちが気軽に足の向く場所にならなければならない。ある特定の層だけが集まっていても決して根付かない。その点、京都芸術センターは起こり自体がある種の「町おこし」的発想から成り立っていて、私が行ったときもアーティストっぽくない人たちが多々見受けられた。

恥ずかしながら、京都がこんな町だとは知らなかった。京都は、東京よりもずっと、芸術家が育てられる町なのかもしれない(もしくはこれからなっていくのかもしれない)と、フィールドワーク初日からいきなり心地よいショックに見舞われた。
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by autumnt | 2004-06-20 23:54 | 研究メモ

宝塚の演出家さんの講演会

たぶん、慶應関係者じゃなくても行けるはず。
思いっきり平日昼間ですが(^^;)。

第679回三田演説会】(要申込)
 日時:2004年6月25日(金) 15時00分~16時30分
 演題:「21世紀のショー・ビジネス~宝塚と日本のミュージカル」
 講師:小池 修一郎(宝塚歌劇団演出家・塾員)
 場所:三田キャンパス北館ホール
 *聴講無料*
 申込・お問合せ先:慶應義塾総務部総務担当
 mailto:soumu-3@adst.keio.ac.jp またはtel:03-5427-1517 
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by autumnt | 2004-06-16 00:01 | 研究メモ

まだまだやるぞ、六本木

リッツやサントリー美術館などが六本木防衛庁跡地に

昨日の記事です。takerattaさんによると、シティゴールドでリッツカールトンに泊まれる??特典があるの?私も持ってるんですけど、家族カードじゃダメなのかしら(^^;)。

いずれにしろ、文化芸術関連施設(美術館、映画館、劇場etc)の地理的集積は、観客層の増加に大きく寄与すると思っているので、どんどん集まってほしいです。ついでにサントリーホールとかも移転しませんか。
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by autumnt | 2004-05-20 22:28 | 研究メモ

ぴあの当日券システム

研究メモでも何でもないんだけど、一応書いておく。

① 昼公演は前日の16~18時、夜公演は当日の12~14時に、専用番号に電話する。
② 当日券が用意できる場合は引き換え番号を、キャンセル待ちの場合はキャンセル待ち番号を伝えられる。
③ 開演の1時間15分前(これは公演によって違うかもしれない)に劇場受付に行き、キャンセル待ち番号を伝え、整理券を渡される。この時、集合時間に遅れると電話で伝えられたキャンセル待ち番号は無効になり、当日券待ち列の最後尾に並ばないといけない。
④ 開演5分前に再度受付に集合。整理券NOの早い人から2~3人ずつ入れられる。当然だけど、観られない人はたくさん出てくる。

・・・っていう感じだったんですね。本日初体験でした。こんな面倒なことをやるんだったら、劇場で直売りすればいいのに。劇場前に並ばれると困るからなのかな。うーむ、それにしても手間かかりすぎ。無駄が多すぎ。当日券こそ簡単に買えるシステムがほしい。極力今あるシステムを利用するとして、どういう形が考えうるのか。Loppiとかうまく使えないのかな・・・。
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by autumnt | 2004-05-14 00:16 | 研究メモ

芸術家のインキュベーション

斬新なデザイン女性に人気 りそな銀キャッシュカード

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りそな銀行のキャッシュカード「りそなーとカード」が10-20歳代の女性を中心に人気だ。関西在住の若手画家による斬新なデザインが「キャッシュカードの絵はつまら ない」と感じていた若者を引き付けたようだ。りそな銀は近畿のFM局「FM802」と提携し、FM802のアートプロジェクトに参加している画家を起用した。
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アート・ギャラリーには、芸術品の流通(distribution)と芸術家の育成(incubation)という大きな2つの役割がある。後者については、様々な方法が考えうるけど、これはいい試みと思う。芸術家的にはキャッシュカードごときで作品の善し悪しを判断されてはたまらないとは思うが、まずは認知からはじめないと、鑑賞人口は一向に増えない。

同じことが「劇場」にも言える。劇場で扱う芸術品はモノではないので若干理解が煩雑にはなるが、基本的な機能はアート・ギャラリー同じである。しかし、インキュベーション機能を担っていると考えている劇場が、日本にいったいどのくらいあるのだろう。売れているソフトを買うのではなく、これから売れそうなソフトを発掘し、育てる。このような機能を、劇場が当たり前のように担っていかないといけない。
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by autumnt | 2004-05-11 01:31 | 研究メモ

くどかんへのマーケティング的アプローチ

友達とメールをやりとりしていたらつい白熱してしまったので、せっかくだから残しておく。本当に私が友達宛に書いたメールから抜粋しただけ。ちなみにこの前段には、さまざまなくどかん作品の特徴の一般化等が議論されていて、最終的な命題は「なぜ外れ値を描く作家がメジャーに認められる作品群を作りうるのか」ということ。それに対する私の回答めいたもの。あ、くどかん=宮藤官九郎です。

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くどかんを分析する上でひとつ忘れちゃいけないことがあって、それはくどかん作品には、「原作」があって彼が「原作」のシナリオ化という作業のみを行っているものと、原作なしで彼がストーリーから作っているものがあるということ。だいたい半々くらいじゃないでしょうか。IWGPの原作はご存知の通り石田衣良、GOは金城一紀・・・などなど。木更津キャッツアイやマンハッタンはくどかんオリジナルです。

ストーリーから彼が書いたものはもちろん、原作があるものをも、全てくどかん色に染めちゃってるんですね、彼は(それがあなたの言うところの「中央線の色濃い世界」なんだろうし、私が言うところの鬱屈した世界観なんだろう)。彼の能力が全体として優れているという話にすると面白くないので、無理矢理考えてみます。

ひとつ言えるのは、彼の作品は決してメジャーではないと思います。所謂メジャーとは違った売れ方をしている。ドラマに関して言えば、IWGPも木更津もマンハッタンも、リアルタイムの視聴率は非常に悪いのです。でも口コミによって徐々に徐々に話題になり、有名になったんです。口コミのよって売れるというのは、マーケティングで言うところの経験財や信頼財(医療や金融や美容院等、実際にサービスを受けてもそれが本当に最良なものだったのか自分でも判断しきれない財)の特徴で、またブランドが形成されるステップでも非常に効果の高い拡散方法のひとつです。

何が言いたいかと言うと、彼の脚本はブランド化しているのではないかということ(意図的かどうかはわからないけど)。北川悦吏子、岡田惠和、野島伸司、坂元裕二etcくどかんと同世代もしくは少し上の世代で、ヒットメーカーと言われる視聴率がとれる脚本家たちは厳然と存在しますが、彼らの脚本はブランド化していないと思いませんか?こういうタイプの作品だったらこの人、と決められないでしょう。しかし、くどかんはあなたの言う「中央線の色濃い世界」を描かせるならこの人、と決められたりしませんか。

同じようにブランド化している人として、三谷幸喜があげられると思います。彼の作品はテレビだと古畑以外ヒットしていない。ある特定の層にのみ受け入れられているという現象があります。これは視聴率とは全く別物の軸です。ブランドは万人に受け入れられるものではないから。そして、くどかんにしろ三谷にしろ、舞台だとおそらく彼らのブランドにヒットする層と必要観客数がマッチしてチケットがとれなくなるのではないかと思います。

ただ三谷の場合、原作があるものを脚本化するというのはやっていないので、そういう意味ではやっぱりくどかんとは違っています。原作を他の人に任せられるということは、ある意味生産を分離しているので量産が可能です。量産すれば浸透は早まります。原作が他の人でも自分のブランドを創れるというのは、もうこれはロジカルな説明が不能で、これこそが(ネタ元が何であろうと他の脚本家とは異なる自分の色を出せることが)彼の力なのではないかと思います。
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by autumnt | 2004-05-08 01:16 | 研究メモ

解決策あれこれ(事例ベース)

① 芸術性と収益性の同時確保の解決策

⇒ブロードウェイ・ウエストエンド等「劇場街(theatre district)」に見られる事例
(学部卒論での回答)
NPOの劇場とFPOの劇場が混在している。"theatre arts"への芸術的貢献を目的としたNPOと、commercialベースで採算が取れることを目的としたFPOとの間で、演目・人材・スキルのトランスファーが発生。結果として、劇場街全体としての観客数増加につながっている。Les Miserables、Lion Kingなどなど。


② ロングラン公演・劇場と劇団のミスマッチの解決策≒資金不足とマッチングの同時解決策はないか?

⇒京都・アートコンプレックスにおける取り組み
SPCを設立し、保有する劇場での個別公演を対象とした私募ファンドを作り、観客動員数に応じて配当を出す。1口3万円で毎回完売している模様。

⇒SRI的枠組みを利用できないか?「芸術支援投資ファンド」のようなもの。アメリカでは、黒人や女性を積極登用している会社にのみ投資するファンドがあったりする。


③ チケッティングシステム≒情報の流通
ちょっと興味はあるんだけど、チケットの取り方をしらない。知っていても面倒でやりたくない(公演日の3ヶ月程度前に発売、人気の演目は即日完売)。また、何をどこでやっているのか知らない。

⇒すぐにTKTSのようなシステムは思い浮かぶが、あれは当日券販売の仕組みが確立しているからこそ可能。そして当日券を半額以下で流通させるのはロングラン公演だからこそ可能。前売り中心の日本でTKTS的に新宿あたりにチケッティングスポットを作ったら、みんな来るかなあ?

⇒バーチャルではどう?(cf:Loppi・@ぴあ・eplus等現存チケッティングサービスの役割拡充。「前売チケット販売窓口」から「事前&当日公演情報サイト」へ。見るものが決まっている顧客だけでなく、これから見るものを決める顧客が演目を選べるサイトにする。価格.comwalkerplusの映画みたいな評価・比較ページを作るとか。なお、現在eplusでは売れ残りチケットを公演直前に大幅割引で販売する「得チケ」システムあり)
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by autumnt | 2004-04-30 02:07 | 研究メモ

備忘録的課題整理

≪GOAL≫
日本において、演劇を身近な娯楽にする
⇒アプローチ1=GOALの解釈1
      :①顧客(=劇場に足を運ぶお客さん)の増加
      :②サービス提供者(=劇団関係者・劇場関係者)の増加

※①と②は相互補完的で、かつボリュームだけでなく、クオリティにおいても同じことが言えると考える。つまり顧客の質の向上がサービス(=演劇)の質の向上につながり、サービスの質の向上が顧客の質の向上につながる。

●現状・課題
①に対して
A)休日の娯楽として「観劇」は選択肢としてあがってこない
B)選択肢にあがっているが、他の娯楽に駆逐される(ex:映画、スポーツ観戦etc)
C)選択肢にあがっていて、実際に観劇している

これがだいたい8:1:1くらい(根拠レス)。A・BをCにしたい

A)の理由:
・情報過少(公演に関する5W1Hは、強烈な関与学習においてしか入手できない)

B)の理由:
・高価格
・支払う代価に対して得られる価値の保証がない(演劇は「経験財」または「信頼財」)

②に対して(演劇に興味がない層は除外)
C)演劇で「メシを食う」つもりはない
D)演劇で「メシを食っていく」

これが、感覚的には9.5:0.5くらい。①よりもっと根拠レス

C)の理由
・メシを食っていける事前期待・事前保証があまりにも低い
・アンカーがない(新国立でやったらその後食べていけるの?)
 cf:ブロードウェイのわかりやすさ(オフオフ⇒オフ⇒オン(⇒トニー賞))
・テレビに出ないと劇場にも足を運んでもらえない(テレビの有名人が出ている公演ほどチケットは入手困難)
・ロングラン公演が困難(劇団専属で劇場を持っているのは四季と宝塚のみ)なので、収入の不安定度高

●GOALに関連する周辺課題
・世界に通じる日本発の演劇を創る≒芸術性と収益性の同時確保
 ⇒マクロ政策課題(法整備・税制整備)、上演システム
 ⇒顧客を劇場に呼ぶためには、顧客が観たいものが上演されていなければならない。しかし高い芸術性が常に顧客に受け入れられやすいものではない。

・鑑賞教育・顧客育成
 ⇒日本人は概してアートに慣れていない(という一般論は本当かどうかは別にして)、どうすれば「よい観客」になれるのか

・劇場と劇団のミスマッチ
 ⇒日本の劇場の稼働率は平均3割程度。劇場の使用料が高くてバイトをしながら貧乏生活を送る劇団員、星の数ほど。

・チケッティング
 ⇒劇団員の手売りでしか入手できないチケット、星の数ほど(流通ルートにのっていない)

●課題に対するアプローチ方法
①メタ組織によるネットワーク化
ここでいうメタ組織は、ポーターのクラスター理論のメタ組織のこと(出典確認してないけど、たぶんこれ)。

②個別劇団または個別劇場へのコミット
③政治家になるか文化庁に入る
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by autumnt | 2004-04-29 02:40 | 研究メモ