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アマデウス

アマデウス_a0012708_145.jpgピーター・シェファーの超有名な戯曲。松本幸四郎・市川染五郎親子の6年ぶりの再演。というか、ロングラン公演で、今シリーズの千秋楽で上演400回を迎えるとか。サリエーリを演じる松本幸四郎自身が演出しています。詳しくはこちらをどうぞ。

感想は、見事なまでの西洋演劇の再現だったな、というに尽きる。サリエーリが語り部となり、とにかく最初から最後まで話す、話す、話す。松本幸四郎はすごい。素人にもすごいとわかってしまうところがすごい。彼の舞台はいくつか見たけれど、所作と発声が全然違う。全くと言っていいほど音が通らないル・テアトル銀座もモノともせず(声がまともに聞こえたのは、松本幸四郎と新井康弘だけだったよ)。彼がサリエーリを演じていなければ、この作品全体に漂っている重厚感、モーツァルトの才能がわかるが故に嫉妬してしまう自分自身への憤慨、最後に死に切れずに生き残ってしまう何ともいえない惨めさも伝わってこなかったと思う。

翻訳劇(特にヨーロッパの。シェイクスピアしかり)を見ると、台詞の不自然なまでの多さにたいてい驚くのだけれど、native speakersにとっては自然なことなんだろうか?

それにしても、ル・テアトル銀座の音響環境の悪さときたら、役者さんは泣けてくるんじゃないかと思う。それでいてやたらと舞台の奥行があるから、舞台を大きく使おうとすればするほど、声は聞こえにくくなっていまう(今日は舞台を少し前下がりにしてあって、余計にくっきりと遠近感が出てておもしろかった)。拍手の音さえ反響せず、最後のカーテンコールとかイマイチ盛り上がりに欠けるんだよね。ミュージカルだと音楽が流れる分ごまかしがきくけれど、ストレートプレイは厳しいです。本当に。あの劇場、誰が設計したんだろう。。。
by autumnt | 2004-05-12 01:05 | 観タ・見タ
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