PECTという劇団のお芝居。遠路遥遥辻堂まで行ってきました。
2人劇で、舞台装置もイーゼルとキャンバスと椅子が2セットと、コーヒーメーカー1つといういたってシンプルなもの。そして「舞台」と言ってもそもそもは絵画や彫刻の個展をやるような小さなスペース(「デッサン」だかららしい)。内容、非常によかった。というより、あらゆる装飾を全て取り払って、メッセージそのものを伝えているだけのシンプルさ。最初はちょっとサスペンスタッチで「ん??何なんだろう???」とナゾなんだけれど、最後まで見ると、「あぁ、だからデッサンなのか」と納得。
おそらく、「描いても描いても、決して実態に追いつかない」というのがテーマ。「デッサン」に映し出されるのは、自分の目を通してみた「対象」であって、「対象」そのものではない。それは人間関係においてもそうなんじゃないですか?仮に恋人だとして、あなたが見ている恋人は、あなたの「デッサン」であって、恋人そのものではない。それは逆もまた然りで、恋人が見ているあなたも恋人の「デッサン」でしかない。決して実態には追いつけない・・・ということが言いたかったんじゃないかなと思う。ものすごく理解できるし、共感するメッセージ。
このお芝居は、実験的要素も含まれていて、4月・5月・6月と毎回キャストを変えて同じ題材を公演しているとのこと。2,000円のパスポートを買えば、何度でも観に来ることができます。5月回は明日(5日)で終わりで、6月は10日~13日@藤沢本町。